三賢社

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Buatsui Soup | コリン・ジョイスのブログ

"Buatsui Soup"って?

2017.02.12

このブログがなぜ"Buatsui Soup"(分厚いスープ)というタイトルなのか、説明が少し遅くなったかもしれない。遅れた言いわけをさせてもらうと、意味が気になる人なんてそれほどいないと思うから。とはいえ、謎を解く手がかりもなしに意味不明のタイトルをつけるなんて、乱暴な話じゃないかとも思う。

理由その1は、ぼくが日本語の初級者のころにやっていた誤りのなかに、「分厚いスープ」という表現があったから――「薄い」の反対語なら「分厚い」だと勘違いしていたのだ。ずいぶん幼稚な誤りではあるけれど、ぼくはこの手の誤用におかしみも感じていて、今でもたまにこういう片言の日本語をわざと会話の味付けに使ったりする(ほかに「暑い水」、「寒い紅茶」なども)。

理由その2は、このブログの"主題"を話し合った際に、話題を限定しないでおこうという結論になったから。主題は日本でも、英国でも、フットボールでもなければ、身辺雑記でもない。こういう話題のどれでもありだし、複数の話題を組み合わせてもいいし、ほかの話でもいい。

何を具にしようがスープはスープ、みたいなことだと考えたわけだ。オニオンスープとトマトスープは同じ料理ではないけれど、どちらもスープだから。

という説明で通じるといいのだが……愚にもつかない種明かしとは承知のうえで。

連載
コリン・ジョイス Colin Joyce
コリン・ジョイス
Colin Joyce

1970年、ロンドン東部のロムフォード生まれ。オックスフォード大学で古代史と近代史を専攻。92年来日し、『ニューズウィーク日本版』記者、英紙『デイリーテレグラフ』東京特派員を経て、フリージャーナリストに。著書に『「ニッポン社会」入門』、『新「ニッポン社会」入門』、『驚きの英国史』、『マインド・ザ・ギャップ! 日本とイギリスの<すきま>』など。最新刊は『なぜオックスフォードが世界一の大学なのか』(小社刊)